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食事中にソティーとクリクを思い出して、あまりゆっくりして居られない事に気付いた。
危ない危ない。
ユリト「それではお世話になりました。」
「此方こそぉ。」
俺はそれではと地面に転移魔術陣を張る。
精神的に来るから、あまり使いたくは無いが仕方ない。
ちなみに転移魔術が効くのは一度行った事がある場所に限る。
しかも魔術陣を向こう側にも描かなきゃならないから、その場所の風景を明確に覚えてなくてはならない。
視界が真っ暗になり体の浮遊感が過ぎると、すぐに目の前が明るくなる。
俺が飛んだ場所は帝都城門前だ。
「うわぁ!何者だ!」
すぐさま槍を向ける兵士。
ユリト「ナバルツ王国国王直属特務部隊隊長ユリト・アツカマだ。
帝王陛下のご依頼を終えてきた。
通らせて貰うぞ。」
「はっ!」
俺は城に入り急いで帝王の間に向かう。
クリク大丈夫かなぁ~。
泣き喚いてそうだなぁ~。
帝王の間に行くとおぅふ…
美しく着飾ったソティーが居げばぁ!
クリク「きゅきゅきゅ~!」
クリクの突進で3m程後ろに吹き飛ぶ俺。
バキッて聞こえたのは気のせい…
ユリト「おぅおぅ…
クリクぅ~寂しかったかぁ…」
胸の当たりが物凄く熱く感じるのは気のせい?
クリク「きゅ~~!」
クリクは俺の胸に顔をこすりつけるぅ~!!
ユリト「あだだだだだ!」
やっぱ折れてた!
ヘルプ!痛い!痛い!痛い!
ソティー「ユリト!」
慌ててソティーが俺にしがみつくクリクを引き剥がす。
周りは当然の事ながら、顔面蒼白で唖然としている。
全く感動の再会も台無しだよ。
ユリト「クリク。
突進するならもうちょっと優しくね?」
クリク「うん…
ごめんなさい…」
なんとか落ち着いたクリクに粉砕した胸骨と折れた四本の肋骨を治しながら諫める。
ソティー「軽くない?」
まぁいいじゃん。
砕けた骨が心臓とか肺に刺さらなくて良かったよ。
ん?
これって瀕死の重傷じゃない?
ユリト「軽いかな?」
ソティー「流石にねぇ?」
まぁ他人にはやらないだろうし、俺は死なないから大丈夫か。
骨を修復し終えるとクリクを頭に乗せて、帝王に報告する。
この間も皆さんの顔は蒼かった。
「そうか…
ご苦労だった。
あれを。」
帝王は隣の兵士に何か命令すると、兵士は隣の部屋に入っていく。
そういえばなんか前よりやつれてないか?
原因おれかぁ!
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