海だ~!!海水浴だ~!!特訓だ~!!

4/112
前へ
/543ページ
次へ
兵士が持ってきた箱には宝石の原石やら、純金の塊が大量に入っていた。 「これはほんのお礼だ。 受け取るといい。」 ユリト「ありがとうございます。」 これがお礼か?って言うほどの量だが、将来国が飢える可能性を防いだんだから、これが妥当なんだろう。 「この後の予定はあるか?」 ユリト「ソティーの父の墓参りをしてから、本国に帰ろうと思っております。」 実のところ早く帰りたい。 あの自己中王女に捕まる前にね。 「少し話があるんだが…」 珍しいな… 俺は思わずソティーと顔を合わせる。 俺と帝王は帝王の書斎と2人っきりだ。 クリクもソティーに預けている。 ユリト「話とは?」 「ジェシーの事だ。」 はい。来たー! やだよ。あんな自己中。 「そなたが嫌っているのは良く分かっている。 だが私の思想ではこの国を支えるのは限界だ。」 帝王は書斎の椅子に深く座り、俺はソファーに座る。 分かってんじゃん。 力と恐怖による政策を押し進めていた今の帝王では、とっくに限界が来ているのだ。 民衆の力が増した今、民衆の支持がない帝国では、反乱が起こるのは必至だろう。 「ジェシーをナバルツに連れて行って、学ばせてやってくれ…」 はっ? つまり留学させたいと? いやいや… また面倒増えるのかよ… 「私はお前と会って自分の無能さを知らしめられた。 頼む…」 帝王はそう言うと頭を下げる。 うー… これ了承しないと、絶対に帰してくれないってパターン? めんどくさ! ユリト「ジェシエル王女は何と?」 「了承した。」 うーん… 俺の一存では決められる事柄じゃないぜ? ナバルツ国内には条約を結んだとは言え、ツンホォンの事を良く思っていない輩だっている。 下手すれば殺される事だってあり得る。 まさか王女を溺愛している帝王がこんな事を言ってくるなんてな… 現実に打ちのめされたか? ユリト「1日猶予を下さい。」 「分かった。 部屋を用意させる。」 なんでもいいが、いい方向には転がり始めている。 俺はメイドに部屋に案内される。 なかなかの造りだな。 ナバルツには劣るがな。 そう考えるとナバルツの装飾技術が、いかに高いかが分かる。 さてと… 俺は懐から連絡魔道具を取り出す。 かなり距離があるけど大丈夫かな? 国内だけで使う予定しか無かったから、あまり強くはしていないんだが…
/543ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16401人が本棚に入れています
本棚に追加