海だ~!!海水浴だ~!!特訓だ~!!

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クリク「ソティーはユリトの事きらいなの?」 私に抱かれていたクリクは、私を見上げながら聞いてきます。 ソティー「そんな事無いよ!?」 それは表現出来ないくらい愛し… あぅ… 顔が熱くなってきた… クリク「ソティーかおまっかだ~!」 クリクは私の腕からするりと抜け出すと、小さい翼をぱたぱた動かし飛んでいきます。 ソティー「ちょっ! クリク待ちなさい!」 ジェシー「この部屋ですね。」 ジェシーは扉をコンコンと叩きます。 あれ? ジェシー「部屋に戻ってますよね?」 ジェシーは首を傾げて、もう一度叩きます。 しかし中からは返事がありませんでした。 ソティー「どうしたんだろう。」 私は扉に耳を当てて中の音を確認します。 ユリト「――ですね。 ―況的にも――に危――行為だ―思う―――が…」 多分連絡魔道具で、誰かと話しているようです。 聞き取りずらいで ガチャスパーン! いっ! ユリト「何してんだよ。」 顔を上げるとそこには、ユリト曰わくハリセンと言うお仕置き道具を握ったユリトがいました。 ユリトは少し呆れた様子でした。 ソティー「だって…」 ユリト「だってじゃねぇよ。」 ユリトはそれだけいうと部屋に入ります。 なんだかユリトはピリピリしているみたいです。 私たちはそれを敏感に感じ取って、黙って部屋に入りました。 ユリト「ジェシエル王女。 お話しがあります。」 ジェシー「分かりました。」 ジェシーは神妙な面持ちで、ユリトと反対側に座ります。 私とお母さんはそれぞれ別の椅子に座ります。 ユリト「場合によっては殺される可能性があります。 いえ、確実に殺されるでしょう。」 えっ? 殺される? ジェシーが? お母さんも分かっているのか、神妙な顔をしています。 ジェシー「覚悟の上です。」 私だけまた仲間外れ… ユリト「ん…悪かった。 ジェシエル王女はナバルツに留学したいらしい。 主に統治と経済、法律についてな。」 ユリトは私が落ち込んでいる理由を理解すると、簡潔に今話している事について教えてくれました。 ジェシーがナバルツに留学? 交流を深めるにはいいと思うんですが… ユリト「ああ。確かに効果的だ。 だが早過ぎる。 先の戦闘で家族を失った者。 親友を失った者。 恋人を失った者。 その数があまりに多い。 貿易で緩和され始めているが、それでも多いんだ。 ツンホォンと言う『国』を憎んでいる者が… ソティーは俺が殺された時、殺した人間を憎まずに居られるか?」
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