海だ~!!海水浴だ~!!特訓だ~!!

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シニルの呼ぶ声と同時に光に包まれる体。 途切れた意識が戻ると、人間の姿になった俺を竜人化したシニルが支えていた。 頭がクラクラするし気持ち悪い… ユリト「くそ… 何でだ?」 いつもこんな感じで、止まってしまう。 自分の事だからどんな状況か分からないから対策のしようがない。 シニル「多分ですが、その体は死霊系の魔物が使う冥魔術が使えるんですよね?」 ユリト「あぁそうだ。 ん…」メキメキ 俺は返事をした後、体に翼と鱗を生やし、再び飛び始める。 シニル「本来死者が使う魔術が体を巡る訳ですから、生者のユリト様の精神が持たないのでは?」 あれ? 確かにそうだ。 本来死者だけに宿る魔術を生者がその身に宿す事自体間違っている。 俺は不死。 到底冥魔術を使うことなど不可能。 グロークは世界から拒絶されたから死んだも同然だったから使えた。 つまりは竜の姿に宿る冥魔力に、俺の精神が拒絶反応を起こすわけだ。 ユリト「まいったな…」 いや待てよ? 俺の精神を天魔術で保護したらどうだ? 固定化すれば竜化後でも残るし、注ぐ魔力を多くすれば長持ちもする。 よし早速やろう。 ユリト「シニル。俺の魂を天魔術で保護してくれ。」 シニル「そうすると魔術を使えなくなりませんか?」 確かにそうだが、問題は一つもない。 それに元々グロークは魔術が使えなかったらしい。 ミアに聞いた所、使えたのは黒炎を吐く事ぐらいだったそうだ。 ユリト「当日を考えろ。 竜が仲良く3体も飛んでいるのに、そこに突っ込むバカはいるか?」 しかも世間に知られているアルデビステリアの竜に空の覇者ラーデルドラゴン。 そこに姿が知られているか分からないが、世界を震撼させた魔竜グロークに酷似した竜。 これほど恐ろしいスリートップは無いだろう。 シニル「そうですね。 では、掛けます。」 ユリト「おう。」 俺の体が光に包まれ、体の中に入っていく。 うん。大丈夫みたいだ。 メキメキミシミシ! 鈍い音と同時に小さくなる世界。
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