海だ~!!海水浴だ~!!特訓だ~!!

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俺は城の庭園で立ち止まる。 ソティー「転移妨害結界張ってあるけど大丈夫?」 ユリト「大丈夫、大丈夫。」 魔力より俺の精神が保つかどうかなんだよなぁ。 俺は足元に3人が入れる大きさの転移魔術陣を形成する。 ユリト「場所はソティーの方が詳しいだろ?」 ソティー「えっ?うん… でも転移魔術陣の使い方分からないよ?」 そっか… まだソティーは魔術陣を作る段階だったか。 転移魔術陣はメタくそめんどくさいし、無駄に難しいから使える人間はかなり限られる。 ユリト「後は場所の像を溶かした魔力を流すだけ。 転移に使われる魔力は俺の方で出すから、場所をしっかり思い浮かべてくれ。」 ジェシーは城の中で転移をする考えに驚いている。 所詮は人間が作った妨害結界だ。 俺にとっては関係無い。 ソティー「ユリト出来たよ。」 ユリト「うっしゃ。 魔術陣に流せ。」 ソティーは手のひらに集まった、場所の位置を溶かした魔力を魔術陣に流す。 本来こんな事は出来ないが、位置と魔力は別々に注げるようにした。 俺は位置情報が魔術陣に馴染んだのを確認すると、今度は転移するための魔力を注ぐ。 視界がぐにゃりと歪み、暗くなるとパッと明るくなる。 ユリト「ほー。 ここがソティーの実家かぁ。」 なかなか自然が多いな。 俺は墓に案内してもらうため後ろを振り向くと… ソティー「うぇ…」 ジェシー「なんですかぁこるぅぷ。」 ありゃ? そういやソティーあの浮遊感、駄目だったんだっけ? ジェシーも青い顔で口元を押さえている。 やれやれ… かく言う俺も精神を削られて気力が無いんだけどね。 とりあえずソティーたちの吐き気が治まってから、ソティーのお父さんの墓に案内して貰った。 なかなか綺麗な墓だな。 ユリト「どんな人か話して見たかったな。」 ソティー「とっても優しいよ…」 そう言い俺の腕にしがみつくソティー。 その声は震えて今にも泣き出してしまいそうだった。 ソティーの顔を見ると既に涙が溢れていた。 大切な人を失う苦しさは、俺も嫌なくらい分かっている。 ユリト「ソティーおいで。」 ソティー「うっ…うっく…」 俺は震えるソティーを強く、されど優しく抱き締める。 少しでもソティーの心の痛みが和らぐ事を願って…
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