海だ~!!海水浴だ~!!特訓だ~!!

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ザー…ザザ… すっかり夜が更け、みんな遊び疲れた為にすっかり寝入っている。 俺は独り草の上に寝そべり考え事をしていた。 それは来る途中何度も見かけた、自然魔力の不自然な流れだ。 基本的に自然魔力は常に動き、世界にまんべんなく広がっている。 まぁ学園の総合訓練所なんかは故意的に集めて居るんだが… 自然魔力が均一なのに一方的に流れたり、薄い所から濃い所に流れたりしている。 そして更に悪い事に、僅かだが自然魔力が薄れつつある。 自然魔力は理魔術を使うときに、僅かに消費されるが本当に微々たるものだ。 しかもロウドビルから他世界への魔力の供給が、止まったに関わらず減っているのだ。 自然魔力は星の底から無尽蔵に放出されるエネルギーだ。 そのエネルギーは世界の環境の調整などに使われる。 それが薄れつつあるという事は、今後天変地異が起こる確率が高くなる。 多分俺みたいな異世界者が強力だからって、乱用してるんだろうな。 あるいは力に溺れたか… 大きい力は人を殺す能力があるからな。 今後の俺の人生に大いに関わるので、手を打たない訳にはいかない。 ユリト「めんどいなぁ…」 俺はごろんと寝転がり、真っ暗闇な空に浮かぶ星達を眺める。 やっぱり周りに明かりが全く無いから星の数がすごいなぁ… 日本じゃこんな満天の星なんてそうそう見れないもんなぁ。 …起こしちゃったかな? ユリト「眠れない?」 俺は今し方テントから出て来た人間に声をかける。 レイヤン「ソティー達がクリクを抱き枕にしててな。」 どうもクリクの呻き声が…とレイヤンは苦笑いをしながら隣に座る。 ユリト「クリクは丈夫な子だから。」 ソティー達の力で死ぬことは無いだろう。 いや… まてよ? ウェルがいたな… あいつは女とは思えない馬鹿力の持ち主だからな… やっぱ危険かも… 考えてたら血の気が引いてきた… ユリト「様子見てくる。」 急げど起こさぬように静かに気配を完全に殺してテントに向かう。 そして中を覗くと… クリクがその丈夫な翼で、ウェルの顔をぐいぐい押しているなんともコミカルな光景が広がっていた。 はぁ~…かわえぇ~… まぁ大丈夫そうだね。 俺は再びテントの外に出て、レイヤンの隣に座る。
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