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俺は奴からすこし離れた所に降り立ち、翼をしまう。
ミシミシ
その瞬間に奴は固まりぐりん!と此方を向き…
「おぉ!最強と謳われるナバなんとかのユリトさんではないですかぁ!
きゃあー!どうしましょう!伝説のお人がアーヤの目の前にいますぅ!
アーヤ赤面ですぅ!」
自分をアーヤと呼んだ奴は自分を抱きしめ、再びくるくる回りはじめる。
暗くてよく見えなかったが…
こいつ黒髪黒眼だ。
そしてこいつの性別が分からん!
「あっ。
すみません~。
僕は美菜沢(ミナザワ)吾耶麻(アヤマ)と言いますぅ~。
気軽にアーヤと呼んで下さ~い。」
キラッと言う効果音が付きそうなポーズを決めるアーヤこと美菜沢吾耶麻。
短髪だし一人称も僕だし男でいいだろ。
ユリト「お前何してる。」
アーヤ「ほぇ?
これですかぁ?」
そう言って地面に組み上げられた魔術陣を撫でる。
アーヤ「これはぁ。
自然魔力を回収する魔術陣ですぅ。
良くできてるでしょ~?」
ユリト「止めて貰いたいんだが?」
問題はここだ。
力は現段階では互角だろう。
あまり戦闘には持ち込みたくない。
アーヤ「はぇ?」
信じられないとでもいいたげな顔をする吾耶麻。
アーヤ「何にも聞いて無いんですかぁ?」
ユリト「誰にだよ。」
なんともつかみ所の無い奴だな。
こっちの調子が狂いそうだ。
はぁと溜め息をしてぶつぶつと何かを愚痴っている様子の吾耶麻。
アーヤ「仕方ないですねぇ~。
ロウドさんですよぉ?」
出たなロウド。
どうやら此方の世界に来た奴全員に会っているらしいな。
アーヤ「僕は他の世界で不足した魔力をぉ、この世界の魔力で補う為に回収してるんですぅ。
僕はそのために呼ばれたんですぅ。」
他の世界で不足した魔力?
それはアルデの仕事じゃなかったのか?
何故こいつが?
ユリト「もしかしてロウドって奴は神様なのか?」
アーヤ「ピンポンピンポーン!
せ~か~いですぅ♪
あっ。でも上司にアルデビステリアって言う神様が、居るって言ってましたよぉ♪」
アルデの下級神か何かか?
ともかくほどほどにして貰わないと…
ユリト「理由は分かった。
でも自然魔力が低くなると此方の世界が維持出来なくなる。
ほどほどにしてくれないか?」
アーヤ「うーん。
分かりましたぁ!」
シュタっと吾耶麻は敬礼すると、魔術陣を徐々に消していく。
アーヤ「あっ!ロウドさん伝言預かってま~す。」
はーいと手を上げてまたまたくるくると回りだす。
俺の目が回ってきたよ…
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