海だ~!!海水浴だ~!!特訓だ~!!

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ウェル…side ユリト「んじゃあ午前はいつも通りで。」 昨日と同じように高い笛の音で起こされて朝食をとると、殺気の箱で精神力を強くするための訓練をする。 昨日からユリトの側に居づらくなって、胸の奥が苦しい。 ユリトの返答は私の納得の行くものではなかった。 なぜユリトは私の強くなりたいという願いを叶えてくれないのだろうか? 私はこれ以上強くなれないという事だろうか。 ユリト「あっ。 ソティーはやらなくていいよ。」 ソティー「えっ?」 昨日の事がユリトの中でかなり効いているのであろう。 かなりバツが悪そうだ。 ソティー「やる。ちゃんとなおしたんでしょ?」 ユリト「えっ?あぁ…一応は。」 ソティー「なら大丈夫。」 パタン 私はそんなユリトとソティーの会話を塞ぐように扉を閉める。 孤独… そして目の前には死神。 私は無魔術結界を張る。 結界魔術の基本だから非常に簡単なのだ。 それと同時に死神から発せられる殺気。 私は結界を維持したまま死神を睨み返す。 そして私は自分なりにユリトの言葉の解釈をしてみた。 「ウェル? 俺はどこにも行かない。 死んだりしないから。 俺を信じて待っていてくれよ?」 私は昨日のユリトの言葉を思い出してみた。 私は先走り過ぎだと言いたかったのだろうか? 私はユリトが死ぬと思っていると感じたのだろうか? ユリトの事は心の中の余すところなく信じている。 待つ… やっぱり混乱するばかりだ… ビー! もう10分たったのか。 私は結界を解き、扉を開ける。 カチャ ユリト「早かったな… ウェル話がある。」 扉の先にはユリトだけだった。 ウェルさん、アクリちゃん、アリンちゃんやクリクでさえ居なかった。 ウェル「分かった。」 私はユリトが座っている長椅子とは反対の椅子に座る。 私が座り若干の沈黙の後にユリトが口を開く。 ユリト「もしかして昨日の事気にしてるのか?」 ウェル「いや…」 本当はちょっと気にしてる。 でも断られたのだからしょうがない。 ユリトは少し考える仕草をすると、パッと顔を上げる。 ユリト「ウェルが強くなりたい理由ってなんだ? 教えてくれないか?」 えっ? 強くなりたい理由? 昔は両親のためだった。 でも今は? 私は何のために強くなる?
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