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ソティー…side
ミア「天魔術はこれくらいで十分だろう。」
ソティー「疲れたぁ~。」
やっと半分覚えましたぁ~。
また使えるかどうかは別の話になるんですが…
ミア「後はじっくり教える事にしよう。」
ソティー「まだ難しくなるの?」
ミア「ここから二倍になるな。」
何ですか?その難易度の開きは…
まだ最初の半分もまともに使えないのに…
ミア「大丈夫だ。
ソティーは筋がいいから、すぐに覚えられるさ。」
ソティー「そんなものかなぁ。」
私たちはとりあえず簡易野営に向かう事にしました。
誰も戻ってませんね。
昨日は最後だったんですが、今日は一番です。
一つ不自然な事は巨大な扉がある事ぐらいですが…
ミア「ユリトだな。」
ミアは扉に手を当てて、じっくりと見上げます。
という事はウェルも戻って来ている筈ですね。
いや、この中で訓練している可能性もあります。
この中で?
2人っきり…
ソティー「いやー!」
だ!だ!だ!ダメです!
いけません!
ミア「ソティー!?どうした!?」
ソティー「ふぇ!
なな、なんでもないよ!」
はわわわ!どうしましょう!
ミア「ん?
そうか?」
あっ。
クリクがいるから大丈夫ですね。
慌てた私がバカみたいですね。
私は胸をなで下ろします。クリク「あ!ソティーとミアだ!」
簡易野営からクリクがひょこっと出て来て、パタパタと私の所に飛んできます。
クリク「おかえりー。」
私にぺたりとくっつき自分の顔をすりすりと、私の顔をこすりつけます。
可愛いです。猫みたいです。
ソティー「ただいま。」
私はそう言ってクリクを優しく抱きしめます。
ミア「ユリトは?」
ミアはクルクルと周りを見渡した後に、クリクに問いました…
あれ?
クリクはここにいる…
ソティー「ユリトはどこ!?」
クリク「うわぁ!」
驚いたクリクはスルリと私の腕を抜けると、ミアの所へ一目散に逃げ込みます。
ソティー「あっ。ごめん。」
クリク「うぅ~。」
クリクはミアの背中にぴったりとくっ付き、ミアの長い髪の間から目だけを覗かせています。
クリクは臆病ですから一度ああなると、ユリトにあやされるまでずっとああなんです。
ミア「クリク?
ユリトがどこに居るか知ってる?知ってたら教えて欲しいんだ。」
ミアは後ろに隠れるクリクに優しく語りかけます。
クリク「あのなかでくんれんしてる。」
クリクは巨大な扉の方に顔を向けます。
やはりあの中でしたか…
ミア「ありがとう。」
クリク「うん。」
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