海だ~!!海水浴だ~!!特訓だ~!!

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ユリト「どうしようかなぁ。」 俺は木の上で寝転がり、木の葉の間から空を眺めていた。 別の森を探すか? だが夕食まで一時間となっている。 まぁこうしてても始まらないし、食べれそうなやつを 「こらぁ!御神木にのぼるな!」 ユリト「うわぁ!」 ドチャ! 不覚… 人の気配に気付けないなんて… というより驚いた拍子に真っ逆さまに落ちた。 つかこれ御神木だったんだね。 ユリト「あたた…ごめんごめん。」 とりあえず謝っておかないとな。 俺は顔を上げながら謝罪をした。 「…」 ユリト「…」 どれくらい固まっていたか分からない。 ただ分かる事は腹の底から熱が込み上げてくる事だけだ。 「えっと… 大丈夫… ですか?」 お互いに暫く固まっていると彼女が控えめに聞いてくる。 ユリト「あっ。はい。」 俺はゆっくりと立ち上がり服に付いた土を払うと、改めて彼女と向き合う。 ユリト「御神木とは知らずに登ってしまって。 すみませんでした。」 「あっ。いえ… その… この森に何かご用ですか?」 しまった… 完全に待たせてるな。 ユリト「食糧になる動物を探していまして。 なかなか見つからなくて困っていたんです。」 不味そうなやつだったからなんて、口が裂けても言えない。 「それならついて来て下さい。」 彼女はにこりと笑うと森の奥へと進む。 今気付いたが、彼女は弓を持っている。 見たところ魔武器でもなければ、特殊な効果が付加された物でもない。 ただの木の矢と弓だ。 にしても気配を消すのが上手いし、木の葉を踏んでも全くの音がしない。 彼女はすっと俺に待ったをかけると弓を引き矢を放つ。 どこに居るんだよ? シッ! ドスッ! 矢が空気を裂く音がしたあと、何か肉の塊に刺さる音がする。 「いいですよ。」 彼女はふぅと一呼吸置いてから振り向いて言う。 ユリト「すごいな…」 彼女は木々が乱立するなか、見えた獣を一撃で仕留めたのだ。 暫く歩くと牛のような獣が倒れていた。 うん。旨そう。 問題は足が8本ある事と体長があっちの2倍ぐらいある事だが… 俺が奇怪な牛を眺めていると彼女は、どこからか大きい葉っぱを持って来ると、手際良く捌き始める。
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