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ユリト「…」
翌日俺は息苦しさで目が覚める。
そして首には足。
その足をたどって行くとソティーだった。
昨日悪酔いしてたもんなぁ。
俺はまだ寝息がする中ソティーの足をどかして外に出る。
海はもやがかかり、水面から顔をのぞかせ始めた太陽の光によって、幻想的な風景を作り出していた。
ユリト「おぉ…」
俺は思わず感嘆の声が出る。
きれいだなぁ。
クリク「きゅあ~。」
ユリト「ん。おはようクリク。」
やっぱり俺が起きるとすぐにクリクは起きてくるな。
クリク「おはよー。」
クリクはすぐに俺の背中にぺたりとくっつく。
なぜ落ちないかは不明だ。
さてと朝食作るかな。
今日の午後はどうしようかなぁ。
クリク「ユリト!」
ユリト「ん?」
ジュー…
突然名前を呼ばれ返事をすると同時に鼻をつく焦げる臭い。
ユリト「あちゃー…」
慌ててフライパンを火から下ろすが間に合わず。
炭化した野菜がしっかりこびりついてしまった。
一度ここまでフライパンを焦がしてしまうと、もうこのフライパンでうまい料理は作れない。
ユリト「やっちゃったよ…」
あぁ~あ。
このフライパンお気に入りだったんだけどなぁ。
といいつつ俺は魔術で炭化した野菜を取り除く。
うん。ピカピカだ。
ソティー「ユリト?」
ユリト「あれ?珍しいな。」
あの眠り姫のソティーが起きてくるなんて。
レイヤン「あれだけ焦げ臭くすれば当然だ。」
レイヤンも鼻をつまんで不機嫌そうに起きてきた。
その後ぞろぞろと起き出してくる。
テントから出て来る時間はまちまちだが、例外なく共通している事は、不機嫌そうな顔で起きてきた事ぐらいだ。
丁度風がテント向きだったみたいだね。
ユリト「まぁ起こす手間が省けたからいいや。」
オグレ「まだ早いわ!」
確かにね。
ユリト「まぁとにかくみんな顔洗ってきてよ。」
それぞれ身支度を整えるためにテントに入って行く、が!
ソティーだけは不機嫌そうな顔で止まっている。
まだ昨日の事で怒ってんのかな?
ソティー「ユリト。」
ユリト「…なに?」
正直この状態のソティーは恐ろしいよ。うん。
長い沈黙の後にソティーは、僅かに口を開けて息を吸う。
来るか!?
ソティー「二日酔いの薬。」
ユリト「はい…」
俺は懐から二日酔いの薬を取り出すとソティーに渡す。
ソティー「ありがとう…」
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