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ユリト…side
本当にまさかのまさかだったよ。
ウェルに白を取られるとはね。
白はウェルが恐らく全力でやった時に、捕まえられる速さに設定したんだよね。
挙げ句黒まで取られちゃうし…
黒は参加メンバーのなかで一番疲れている奴に近付き、疲れ切って動けなくなった時に捕まえられるように設定した。
しかも時間切れ十秒前のみ。
さーて今日のウェルを見て何人気付いたかな?
ユリト「ほらソティー。
そこの魔術文字が混ざってる。」
ソティー「あっ。本当だ。」
今は午後のメニューだ。
ソティーの天魔術を見てやってる所だ。
ミア「何度指摘させるんだ?」
だよね。
今ので16回目だ。
ソティー「あれを覚えろっていう方が無理あるって!」
帰ったら天魔術の魔導書書いてやるから、それで覚えさせるか。
ユリト「ここで止まっててもしょうがないから次。」
そーいやぁ。いつの間にかソティーとは仲直り?してるな。
ソティー「はぁ。
ミアは分かるけどなんでユリトが天魔術知ってるの?」
ソティーは先ほどとは全く違う魔術陣を展開しながら聞いてきた。
なんで?
ユリト「シニルに教えて貰ってたんだよ。」
素質があるのに使えないのは宝の持ち腐れだからね。
うん。なかなか良くできてるな。
理属性だけは手を加える事が出来ない為、ソティーにはそのままの魔術陣を覚えてもらうしかない。
ユリト「もういいよ。
形は良く出来てるけど、魔力の流す量が波うってるから、発動の時は気をつけてね。」
ソティー「はぁ…
ユリトの記憶力が羨ましい。」
ソティーはそう言いながら魔術陣を消す。
記憶力が良過ぎるのも困りものだよ?
俺は瞬間記憶能力とまではいかないが、小さい時から記憶力だけは人一倍高かった。
そのせいで忘れたい事もいまだに忘れられず、あの時の記憶も鮮明に残っている。
ちなみに身体能力の高さは、高校に入ってから町内をおにごっこしていて身についた。
ミア「ユリト?」
ユリト「ん?」
ソティー「大丈夫?」
ぼーっとし過ぎたらしい。
2人は不思議そうに俺の顔を覗き込んでいる。
ユリト「大丈夫だよ。
さっ次行こうか。」
ソティー「ふぇ~。
魔力切れ起こしちゃうよ~。」
ユリト/ミア「絶対起こさないから安心しなよ。」
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