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ソティー「ユリト。
何か今日殺気強くない?
なにこれ…」
扉を開け、とことこ歩いてきたソティーはぴたりと立ち止まる。
ユリト「うん?いつも少しずつ上げてたよ?」
出て来たソティーはさっそくユリトに疑問を言ったが、そしてぽっかりと陥没した地面を見て思考が止まったようだ。
ちなみにクリクは今は小さくなっていて、なんでもみんなを驚かしたいらしい。
ユリト「あ~。それね。
重力魔術練習してたら失敗したの。」
ソティーは青い顔をしながら気を付けてねとだけいう。
ユリトの魔術は下級でも危険魔獣を消し炭に出来るからな。
クリク「ねぇユリト。あくうかんのなかはだめなの?」
ユリト「体力訓練始まってから。」
他が早く終わらないかなと話しながら、2人はウキウキしている。
ソティー「もう本物の親子だよね。」
ミア「そうだな…
私も子供が欲しいよ。」
ソティーはばっと赤い顔で私を見つめる。
なにか悪い事でもいったか?
ソティー「ミアって…
竜の時には…
その…
居なかったの?」
居なかった…って子供の事かな?
ミア「竜の時の私は子を産めない体だったからな。
ずっと他の親子を見ていて、あれほど悔しかった事はない。」
私は過去の自分を思い出すように目を閉じて空を仰ぐ。
しかしこの体は子を宿すことができるだろう。
親子と言う関係への思いは強まるばかりで、叶うのは当分先だろうがな。
ソティー「ごめん…」
ん?落ち込ませたようだな。
ミア「なに。気にする事はないよ。
今こうして願いは叶う可能性があるのだから。」
だから時折強い衝動に駆られる事があるが、なんとか理性で保っている。
そうして暫くすると、いつもより青い顔をしながら、精神訓練を終えて出てくる。
ユリト…
最終日だからって二倍にする事はないだろう。
リムやルミクなんかは泣きながら出てきたし…
きっとユリトは限界を試させたんだろうな。
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