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既に戦闘となる場所には結界を張っており、俺の大半の魔力で構成された特殊結界は、恐るべき強度を持っているであろう。
そして俺は魔武器を展開し、いつもの巨剣を収束する。
ユリト「んじゃいくよ~。」
俺はそう言うと巨剣を自分の頭上に振り上げる。
オグレ「待て!待て!待て!待て!マジで死ぬって!」
と言いつつもしっかり魔武器の斧を展開して構える。
ユリト「うりゃ。」
シュ!ゴオォォ…!
オグレ「は…」
あっ。
外した。
親指の爪程の大きさの火球は、オグレの肩を掠めて後ろの地面に当たった。
火球はけたたましい剛炎を上げた。
ちなみにこれはエフェクトばかりを豪華にしたもので、あれに包まれても軽い火傷程度しか殺傷能力はない。
だから心配は全くっ!
ユリト「あぶな!」
説明中に攻撃しやがって!
オグレ「どっちがだ!」
当たっても大丈夫だって!
って知らねーか。
オグレ「ディファイヤー!」
ユリト「おわ!」
あれ?
オグレって上級魔術使えたっけか?
ユリト「ってアチャチャチャ!」
つか近距離で使うなよ!
ザプーン…
魔術の火って消えずらいんだよ。
だから転がって消すより、魔術で消した方が有効なのだ。
オグレ「ふん!」
ユリト「くっ!」
水で視界が妨げられたのを狙ってオグレが奇襲を仕掛ける。
考えて行動したか、はたまた…
まぁ最後まで言わないでおこう。
巨剣じゃあ懐に入られるとねぇ。
俺は後ろに飛んでオグレの攻撃をかわす。
しかしオグレは逃がしてくれなく、間合いを詰めてくる。
ユリト「お返し!」
オグレ「グッ!」
俺は逆にオグレの懐に入り、軽く正拳を加える。
並みの人間にとっては軽くと言うレベルではないが…
オグレ「おら!」
ユリト「ガッ!」
オグレは俺の正拳を耐え、斧の枝で頭を打ち付けてくる。
そいつは流石に効くぜ?
ユリト「ふん!はっ!」
オグレ「がぁ!」
バキバキ!
俺は足払いをすると倒れたオグレの腹を踏みつける。
衝撃により地面にひびが入る。
鬼畜?
いえいえ訓練です。
オグレ「ディブェンファイヤー!」
ドォン!
自分を中心にして広域を攻撃する魔術だ。
確かにこれは反応出来てもよけられないな。
これは一般的な範囲で残念ながら俺には適応されない。
ユリト「んー。おしい。」
オグレ「普通あれ避けるか?」
オグレは苦笑いしながらさも何でも無いように立ち上がる。
いや少しはダメージ受けとけよ!
どんだけ丈夫なんだよあいつ。
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