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私は再び2体の金属人形を作り出し、攻撃を仕掛ける。
やるとは言ったものの、これは初めての試みだろう。
そう言うユリトは出来るのかな?
ルミク「っ!ユリト!」
攻撃を仕掛けながらだと息が上がり喋りにくい。
でも以前だったらもうへばってたろうなぁ。
ユリト「ん?どうした?」
ルミク「ユリトは!
出来るの!
これ!」
単調とは言え3人分の攻撃を流しているユリトは、まったく息が上がらない。
ユリトだからで括れば、それでお終いなんだけど…
ユリト「ん~。
出来るっちゃ出来るけど、ちょっと難しいね。」
ユリトが難しいのに私に出来る訳ないじゃん!
ユリト「限界はまだまだ先だぞ?」
ルミク「それは!
まだ強く!
なれるって事!?」
ユリトはそゆことと笑いながら、私の攻撃をかわしていく。
全開のユリトの能力は、恐ろしい程に底無しだ。
もはやここまで来ると、人間業ではない。
前世が竜だったのは理解した。
しかし今は紛れもなく人間だ。
詳しくは知らないが転生したら、力の大半は失われると思うが…
ユリト「ほらほら。
疲れてる時こそ、動きは止めちゃ駄目だよ?」
ゴッ!
ルミク「あぐっ!」
頭に肘鉄を食らってしまった…
そして再び金属人形は叩き割られてしまう。
ルミク「っ!」
まだくらつく頭を回転させて打開策を練る。
ユリト「敵は待っちゃくれないよ?」
ユリトは不適な笑みを零し、私に更なる追撃をする。
もうこれしかないかな。
ユリトは頑張れ~と声援を送りながら攻め立てる。
ルミク「あんまり余裕こいてると!
痛いめ見るよ!」
私は地面に大量の陣を打ち込む。
ユリト「ん?そーか?
痛いめに合わせて見ろ!」
ガァン!
ルミク「くっ!」
攻撃を流さずに受け止めると、ユリトの背後にある陣から人形で攻撃する。
ユリト「っ!」
ユリトは体を捻りながら、私と人形の間から抜け出す。
ルミク「まだまだ!」
ユリト「おわ!」
今度は逃げた先にある陣から人形を作り出し、迎え撃つ形で攻撃する。
ユリト「ちっ!」
2本の長刀で両脇からの攻撃を受けると、ユリトは私に背中を向ける形になる。
私は人形と同じ動き…
つまり剣を振るのではなく押し付ける形でユリトに迫る。
ユリト「ちょっ!」
ユリトのギリギリと迫る人形に一瞬気が向いた時を狙い私は突っ込む。
そして初めて私の刃がユリトに届く。
ルミク「してやったり。」
そして刃を押し付けたまま下に引く。
それと同期して人形も剣を下に引いた。
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