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いない…
どこに…
地面は隆起したり抉れたりしてるから、そこの影に隠れているのかな?
私はどこから攻撃されてもいいように結界を張り、結界の外側に反撃用の魔術陣を貼り付けます。
さっきの空気中に待機させていた魔術陣は、結界により魔力供給が遮断されてしまうので解除しました。
ソティー「一体どこに…」
相手がユリトなだけあって、何を仕掛けてくるか分かりません。
私はゆっくり歩き出しユリトを探します。
基本的にユリトは守っても影に隠れて待ち伏せはしないはずです。
隆起して出来た地面の影などを徹底的に探します。
ソティー「…あれ?」
私は一際大きく抉れた穴を見て立ち止まります。
底の方に何か見えるのは気のせいでしょうか?
私は穴を慎重に降りていきます。
ソティー「…ユリトどうしたの?」
やっぱり底に見えた物体はユリトでした。
ユリト「飛び越えようとしたら崩れた…」
ソティー「…」
私は黙ったまま手を出します。
ユリト「優しさが痛いよ…」
ユリトはそうぼやきながら私の手を掴み、立ち上がります。
そうして体中に付いた砂埃を払います。
最も服がボロボロだから意味ないような気もしますが。
ユリト「はぁ~。
再開するか。」
ソティー「やるんだ。」
ユリト「うん。最初に決めたから。
全員重傷か魔力切れにするって。」
ユリトはそう言い穴から飛び出ます。
ソティー「重傷って…」
もしかしてウェル相当な怪我だったの?
あぁー。不安だぁ。
穴から出るとユリトはしっかり準備していました。
ユリト「んじゃ頑張ってね。」
にっこりと…
そこからは微塵の悪気さえ感じられません。
ソティー「ユリトの鬼!悪魔ぁぁぁ!」
チュドドドドドドドドド!
それから私は大量の追尾式火球、追尾式雷球、鉄の人形達に追い回されました。
もちろん力尽きた時にはボロボロ。
出血で血が足りない状態でした。
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