海だ~!!海水浴だ~!!特訓だ~!!

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ミア「ユリト。 私と勝負しないか?」 ん?珍しいな。 基本的にミアは大抵は見守ってるタイプだからな。 ユリト「どんな?」 ミア「模擬戦だよ。」 模擬戦… 模擬戦かぁ… 怖いな… リム「どうかしましたか?」 ユリト「あっ。ごめん。」 食器を洗う手が自然と止まっていたようだ。 何故怖いかと言うと俺はグロークとミアの凄まじい近距離戦を見ていたからだ。 人として生を受けている自分にとって、あんな戦闘をする勇気は無い。 あっ。鳥肌が… ミア「嫌ならいいんだが。」 ユリト「だが?」 最後をいいごもるミアに思わず聞き返してしまった… ミア「少し話したい。」 構えて損したな。 ユリト「いいよ。」 もしかして二人きりで話したくて、模擬戦を持ちかけてきたのかもしれない。 竜同士の模擬戦なら危険すぎるから、亜空間の中で2人きりになると踏んだのだろう。 俺は手早く食器を片付けるとソティー達に捕まる前に亜空間の扉を開く。 ユリト「2人きりだろ?」 ミア「ありがとう。」 俺達は亜空間の扉をくぐる。 そーいやソティー達と模擬戦やったまんまだから荒れてんな。 ユリト「よっ。」 俺が地面をぽんと手で叩くと、そこから青草が生え広がる。 空は外の景色を映しているから少し雲が多めだ。 俺は青草の上に座り込み空を眺める。 ユリト「んで話って?」 ミア「あぁ。今日の模擬戦の事なんだが。」 なんか問題でもあったかな? ミアはそう言いながら俺の横に座った。 ミア「今日は珍しくみんなに大怪我させてたな。」 その事か。 ミアは何かあったのか?と心配そうだ。 ユリト「あぁ… みんな時が経てば戦場に向かう。 せめて死なないようにな…」 せめて死なないよう… この理由も本当は自分の為なのかもしれない。 もう親しい人間を失うのは嫌だ。 もう失いたくない。 なにかあっても生き延びて、また俺の前で笑う顔がみたい。 だからこそみんなには強くなって欲しいのかもしれない。 俺が親しい人を失う苦しみの重圧を少しでも軽くするために… そう考えると苦しくなり自然と体が震え、自分の体を抱きしめていた。 俺は臆病者だな… ははっ… 震えが止まらないや…
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