海だ~!!海水浴だ~!!特訓だ~!!

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ミアside 途中からユリトはカタカタと震えだし、自分の体を抱きしめていた。 ミア「ユリト?」 やっぱりユリトもグロークと同じ守護者だったか。 護る人の為ならどこまでも強くなり、護る人の事になるとどこまでも弱くなる。 いつも護る人を失う恐怖に怯えている守護者。 失った時に自分がどうなるか分からない恐怖に怯えている守護者。 護る人を完全に守り切れない自分が腹立たしい守護者。 自分が護る人を傷つけていないか不安でしょうがない守護者。 私がユリトのその苦しみを消せるだろうか? ジャニアリカのようにユリトの不安を取り除けるだろうか? ミア「ユリト。 お前が心配しなくてもきっとみんな、お前の前に集まってくれる。 お前を慕ってくれる。 お前を信用してくれる。」 私は震えるユリトを抱きしめ、優しく声をかける。 ミア「だからそう怯えるな。 みんながお前を信用しているように、お前もみんなを信用すればいい。」 ユリト「分かってる… 分かってるんだ… それでも…怖いんだよ… 俺って臆病者だな…」 ぽつぽつと言葉を紡ぐユリトはまるで、何かに怯えている子供のようだった。 ミア「みんな臆病なんだよ。 怖いものが無い生命は存在しない。 いつも何かに怯えているんだ。」 私の腕の中で震えるユリトはコクコクと首を縦に振るばかり。 ユリトの震えが収まったのは、長い時間がたった後だった。 ユリトが自分から甘えられる人は居るのだろうか? 恐らくはジャニアリカだけなのだろう。 しかしジャニアリカは遥か昔に亡き後。 生まれ変わってもまた逢える確率は無いだろう。 多くの魂が宇宙で自分に相応しい器が作られるのを待っている。 そんな中でユリトが生きている間に逢える事は無い。 ジャニアリカの魂も恐らくは待っているであろう。
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