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ユリト「さーて戻るか。」
多分ソティー達待ってるだろうしねとユリトは恥ずかしそうに言う。
ミア「ん?あぁ。そうだな。」
私たちは亜空間の扉を抜けて、みなが待ってるであろう明かりがついた簡易野営に向かう。
ソティー「むむむ…」
ウェル「こっちを動かした方が良いんじゃないか?」
ルミク「でもここら辺守り手薄じゃない?」
どうやらみんなで遊んでいたらしい。
ユリト「ん?やってるな。」
あれは確か…
なんだっけ?
ユリト「やっぱりどっからどうみてもチェスの大規模版にしか見えんな。」
ユリトは大きな板の横に屈むと顔をしかめる。
レイヤン「シェルぺ。間違えるな。」
そうだ。
シェルぺだ。
一枚の板を縦横15に区切って、総数30の駒を動かして、敵大将の駒を取る遊びだ。
駒の動きも非常に豊富で、敵陣に入ると昇格し動きが変わる。
ちなみにユリトはこの手の遊びは苦手だ。
以前もレイヤンにコテンパンにやられていたしな。
レイヤン「戦場は何が起こるか分からないからな。
よく周りを見て危険を先に見つけるんだ。」
ユリトにとって実戦では危険なんて無いからな。
ユリトが戦場に出るときに徹底している事は、相手に圧倒的戦力差を示す事らしい。
最もユリト1人で大半の国は容易く墜ちるだろう。
圧倒的な力を持つユリトに戦略はいらないのだ。
クリク「ユリト~。
はやくぼくもまほうつかいたいなぁ。」
パタパタとユリトのもとに飛んできたクリクをユリトは抱っこをする。
ユリト「あせんなくていいよ。
ゆっくりやって行こう?」
ユリトはクリクの頭を優しく撫でる。
クリクが使える魔術は無魔術に限られている。
グロークは元々魔術は使えなかったし、クリクに残った冥魔術はユリトが全て吸収したからだ。
ん?
何で魔術も使えない竜が竜族の第2位の実力を持っていたかって?
グロークの鱗は非常に堅く私の牙や爪でもなかなか貫く事は出来ない。
そして驚異的な魔術耐性に属性を持たないが故の魔術強弱の無視。
武器は基本的に牙だが、その鋭さは金属最強の硬度を誇るオリハルコンでさえ噛み砕く。
そして奴の吐く黒炎は竜族の魔術でさえ飲み込んでしまう。
まぁこんな所かな?
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