叛逆の狼煙

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ソティー「んー。気持ちー。」 真っ青な空。 ただ雲が1つも無いのが気がかりだ。 ミア「ウェルは大丈夫か?」 また背中の上で吐かれるのは嫌だからな。 ウェル「ああ。ユリトに貰った薬のおかげでな。」 ミア「なら良かった。」 いつも思うがユリトは、どこから薬やら何やらを取り出すんだろうか? 取り出す時には魔力の放出も無いから、亜空間に閉まってる訳では無いんだろうが… ユリト「ミア。」 ミア「ん? どうした。」 ユリトの声が下から聞こえた為、そちらに視線をやるとユリトがだいぶ下の方を飛んでいた。 ユリトばかりではなくシニルも高度がかなり低い。 私もそれに従い高度を下げる。 あまり高度を下げると見られるのでは? ユリト「空気が薄い。 とりあえず俺の奴らは全滅。」 ユリトの背を見るとみな苦しそうだ。 ユリト「兵士でもないアリンちゃんなんかは相当苦しいだろうな。」 なるほどな。 それで高度が低いのか。 ミア「だが来るときはもっと高い高度だったろ?」 ユリト「ああ。 だが大気中の自然魔力が極端に低い。」 自然魔力… 何故だ? 普通ならここまで下がる前に、世界の均一能力によってある程度は修復される筈だ。 ミア「異常だな…」 恐らく世界を飛翔する竜族が長、デルペティなら気付いているだろう。 ユリト「シニルに合わせよう。」 ミア「分かった。」 私達はゆっくりと高度を下げ、最も低い高度を飛んでいるシニルに合わせる。 ユリト「アリンちゃん大丈夫か。」 アリンちゃんは頷くがかなり苦しそうだ。 ユリトは私達に目で合図をするとアリンちゃんの呼吸が楽な高さまで高度を下げる。 アリン「ユリトさん。ごめんなさい。」 ユリト「気にするな。」 下に大きめの町があるな。 最も人間の視力なら豆粒程度の大きさだろうがな。 シニル「ユリト様。 警備兵。 望遠鏡持ってます。」 ユリト「気にするな!」 ログス/ルミク「ちょっ! 気にしてる(だろ)(でしょ)!!」 アクリ「若干速くなってる。」 オグレ「おわぁ~!」 リム「ユリト!オグレが飛ばされそうです!」 あの馬鹿… 言動と行動が伴ってないぞ。 シニル「ユリト様…」 私はそうユリトの名前を言うシニルが寂しそうに見えた。
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