叛逆の狼煙

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「陛下。」 土の当主が声を荒げた所でやっと陛下が仲裁に入った。 傍観してないでさっさと助けてくださいよ。 ヤカザイン「ジュアリー当主。 そなたの用から聞こう。」 「明日の貴族会議。 我々のお話を聞いていただけなければ欠席させていただきます。」 ヤカザイン「むう… 視野に入れよう。」 「では。」 青二才が… ジュアリー当主は俺の横を通るときにそう低く怒りを込めて呟く。 そう睨むなよ。 目潰ししたくなっちゃ… 自重。自重。 ゴゴゴ… 後ろで扉が閉じる音がする。 ほんとやな奴に嫌われたなぁ。 ユリト「へーかー。最初から居たなら止めて下さいよ。 いつ食われるかヒヤヒヤしてたんですから。」 (普通逆でしょうが…) んん?兵士たちの心の声が聞こえたのは気のせいかな? ヤカザイン「はっはっはっ。 すまぬ。見物だったものでな。」 見物って…まぁいいけどさ。 つかあれがログスたちの父親とか信じらんねーよな。 堅物だし。 ヤカザイン「少し2人で話そう。」 陛下はそう言うと椅子から立ち上がり、歩き出す。 ユリト「はい。」 大抵2人で話す時は人払いをするが、移動すると言うことはかなり重要な話しらしい。 俺は黙って陛下の後ろをついて行く。 ユリト「ジェシエル王女はどうしました?」 ヤカザイン「部屋で休ませておる。 居ると話にならんのでな。」 確かに。 アイツは何かとおしゃべりだし、口が開いたら止まらないからね。 ガチャ 陛下は自分の書斎の扉を開けるとそのまま中に入っていく。 俺も後に続き後ろ手で扉を閉めると、部屋全体に音遮断の結界を張る。 ヤカザイン「ふぅ…」 陛下は椅子に深く座ると溜め息をつく。 久々に聞いたな。 ユリト「土の当主が言っていた話とは何ですか?」 ヤカザイン「ふむ… 明日の貴族会議。 警護を自分の私兵を使えと…」 ユリト「それなら我々だけで十分では?」 ヤカザイン「それがな…」 その後陛下は俺が居ない間に起こった事をこと細かく教えてくれた。
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