叛逆の狼煙

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まず国直部の休暇によりごく最近狂暴化した魔物の討伐が間に合わなくなった。 俺の予想では二週間ぐらいは大丈夫だったのだが、狂暴化した魔物がナバルツに集まっているらしい。 何か魔物を集める要因があるのだろうか? その為地方に軍を派遣しなくてはならなくなり、今でもナバルツ王都の警護は手薄。 そしてほんの数日前に中庭でお茶を飲んでいたジェシーに向けて矢が放たれたらしい。 これを受けた陛下や大臣はツンホォンへの帰国を求めたが、帝王はジェシーが満足するまで、ジェシーも全てを学ぶまでは帰る気はないらしい。 兵士の中にも家族や親友を殺された奴は多い。 こうなって当然だったが、まさか城内で起こるとは… 城の兵士達には逃げ出すからと言う理由で兵を増強。 それにより人目を増やして抑止力にしているようだ。 そして貴族政と実力政の対立。 俺が不在の間に貴族の半数があちら側に戻ったらしい。 噂では土と光の当主が圧力をかけたとかかけないとか。 貴族政は全貴族の五割。 実力政は全貴族の三割弱。 他は明示していない。 このままでは貴族会議が成り立たず、結局は土の当主の話を受けざるを得ない。 そしてもう一つが… ユリト「国直部の外壁警護か…」 ヤカザイン「最も強い戦力を外壁に配置して狂暴化した魔物に対応したいと言っているが、なるべく離したいだけだろうな。」 ユリト「何か思惑もあるのでは?」 ヤカザイン「おそらく奴が秘密裏に外に人を集めている。 だが確実な証拠が無い。」 つまり捕まえられないって事ね。 ユリト「きっついなぁ。」 俺はつい陛下の前だと言う事も忘れて本音が出てしまった。 ヤカザイン「何か企んで居る事は明白だが、手のうちようがない。 私は狂暴化した魔物も奴らの駒では無いかと思っている。」 駒か… だが狂暴化出来るような魔術は、あるにはあるがあくまでも幻術によるものだ。 効果はせいぜい半日。 住民からの届が来る頃には鎮静化している。 後は… 真術による生態の変換か… これなら狂暴化させた魔物を簡単に集められるな。 だが偶然にしては重なり過ぎている。 すぐさま調べる必要があるな。 ユリト「分かりました。 私はすぐにでも動きますので失礼します。」 頼んだという声を背に俺は部屋を出た。
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