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暗がりから光り輝くナバルツ王都を見つめる2人。
「さーて。どう動くかなぁ。」
この時期では最適だが、夜の気温にはまだ肌寒い格好をしている。
「恐らく容赦ないでしょう。」
一歩後ろを立つ男は軽装の戦士の風貌で腰に長剣を二本下げている。
「まぁ。分かってはいるんだけどねぇ。
ユリト君の心を揺すれられればいいんだよ。」
片方の男はくつくつと笑う。
判断力が正常だと面倒くさいしねと彼は言う。
「これが終わったらいかがいたしますか?」
「あぁ。
うん。
接触しちゃっていいよ。
んで上手く誘導しちゃってよ。
あっ。接触するときはあの子とね。」
んじゃ私帰るねと嬉しそうにとことことナバルツから離れていく。
残された男は黙ってナバルツを見つめていた。
「仰せのままに…」
ポツリと呟きゆっくりと目を閉じる。
(あの男は好かんな。)
「好かんな。
ってひどーい!」
どこからともなく現れたローブ姿の人物は、男性とも女性とも区別が付かない中性的な声を出す。
「接触はまだだぞ。」
「分かってますぅ~。
だからガマンします!」
ローブ姿の人物はぐっと握り拳を胸の前で作る。
「でも早く会いたいですぅ~!」
すぐに拳を崩し手をばっと広げ、くるくると回りだす。
「そう思いません!?」
ぐっとローブ姿の人物は軽装の戦士の顔をぐっと覗き込む。
「思わん。
我々は彼に対して最大の配慮をしなければ、いつあちら側に行くか分からない。」
「むぅー。気を付けますぅ!」
ピシッと敬礼をするローブ姿の人物。
(くっ!
このふざけた態度が気に食わん!)
「ふざけてないですよぉ。」
「行くぞ。」
「会いにですかぁ!」
「黙れ!」
ズカズカとナバルツとは逆に歩く戦士をテケテケと後を追う。
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