叛逆の狼煙

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ウェルside ユリト「おーい。ウェル。 朝だぞー。」 シャーっと窓の幕を引く音がするとまぶたに光が当たる。 ウェル「ん… ん~おはよう。」 私はゆっくりと目を開けてユリトの顔を見る。 ユリト「ゆっくり寝れた?」 ウェル「ああ。」 私は寝台から降りて、クローゼットの扉を開ける。 そして私は肌着から一枚一枚服を着ていく。 ユリト「やっぱりまだお疲れ?」 椅子に逆向きに座って私の様子を窺っていたユリトは、笑いながら話しかける。 ウェル「少し。 だいたいお前は激しい。」 ユリト「おいおい。 それはこっちの台詞だぜ?」 ユリトは笑いながら応える。 ウェル「ソティー達は?」 ユリト「もうご飯食べてるよ。」 先行ってるとユリトは部屋を出て行く。 さて。私も行こう。 着替え終わった私は部屋を出て食堂へ向かう。 かちゃ ソティー「あっ。おはよう。 おかあさん。」 クリク「おかあさんおねぼうさんだよ。」 ユリト「そーだよねー。 お母さんったらお寝坊さんだよねー。」 ん? ウェル「えっ?」 ソティー「…大丈夫?」 目の前にあるのは決して、非常に幼いソティーの顔ではない。 ウェル「あ、ああ…」 なんだ… 夢か… ソティー「一回起こしたんだけど、起きなかったからまた起こしに来たの。」 クリク「ウェルのおねぼうさん~。」 ふぅ。何故クリクは夢の中で人だったんだ? ソティー「そろそろ任務の時間だよ。」 ウェル「分かった。 すぐいく。」 ソティーとクリクは部屋を出て、私は寝間着を脱ぎ国直部の正装をする。 私の国直部の正装は軽装の騎士を模した物だが、武器は決して軽装ではない。 ウェル「はぁ… ユリトとの結婚生活か…」 うぅ… 思い出したら熱くなってきた… ウェル「早くご飯食べないと!」 私は考えを吹き飛ばすように独り言を叫ぶと私は部屋を出る。 かちゃ ユリト「おはようウェル。」 ウェル「あぁ… おはよう。」 返事に少し間が空いてしまった。 ユリトは察しがいいから変に突っ込まれると困る。 私は椅子に座り食事を取り始める。 ユリト「どうした? 体調悪いのか?」 いつの間にか隣に来たユリトは私の額に手を当てる。 ウェル「大丈夫だ。」 ユリト「そうか? ちょっと熱もあるぞ?」 ウェル「…任務には支障は無い。」 ユリトはあんまり風に当たるなよ?と言って椅子に座る。 ふぅ。 コーゥ ん? この音は連絡魔道具の音だな。 ユリト「どうした?」 「ウェル様の母君。父君が見えられております。」
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