叛逆の狼煙

20/75
前へ
/543ページ
次へ
ミアside ユリト「という訳で今日も外壁門の警護だ。 つまらん任務だが気を抜けない。 各自臨機応変に対応するよう。」 「「「はっ!」」」 ユリトが出口に向かって歩き出すと、私達、隊員と後を続いて出口に向かう。 レイヤン「ユリト。 班分けはいつもで、班指揮者もいつも通りでいいのか?」 ユリト「そうだな。 ミア・ソティー班。 レイヤン・ウェル班。 俺の班に分かれる形だな。」 ソティー「はぁ。見張りって一番疲れる仕事だよね。」 ウェル「そうか? 私はあんまり苦ではなかったけど?」 ソティー「ウェルってすごく我慢強いよね。」 周りではそれぞれ話をしていて、後ろの隊員達も例外ではない。 しかし私は妙に違和感を感じていた。 ミア「ユリト。 お前今日調子悪いのか?」 ユリト「えっ? なんで?ピンピンしてるけど?」 ミア「いや… 何だか雰囲気がいつもと違うような気がしてな。」 ユリト「そーかぁ? いつも通りなんだけどなぁ。」 ユリトは変に顔を歪めて、不思議そうに首を傾げる。 ミア「何となくだったからな。 気にしないでくれ。」 ユリトはそう?と言って前を向く。 そして私たちは正面門、西門、東門付近の外壁警護にあたるためにそれぞれ別れた。 ソティー「ミアもやっぱり思った?」 ミア「ソティーもだったか?」 うんとソティーは頷くと少し微笑む。 ソティー「でもユリトって絶対私たちより考えてるでしょ? だから寝不足なのかなぁって思ったんだ。」 だからあんまり気にしなかったんだよなぁとソティーは呟く。 「そうですか? いつも通りだったと思うんですが…」 後ろからひょっこりと出てきた隊員は、不思議そうに言う。 ユリトは隊員とも飲みに行ったり(半強制だが…)しているため、隊員達は任務外のユリトも知っている。 ソティー「ほんと微妙な感じだからねぇ。」 「俺も全然気付かなかったなぁ。」 「やっぱ同棲してるだけありやす。」 確かにそうなのかもしれない。 常にユリトの存在を感じていたからこそ、微妙な変化にも気付けたのかもしれない。 だがその微妙な変化もいつも通りで片付けられてしまった。 私たちの勘違いだったのかもしれない。 「副隊長。 そろそろ着任の時間ですが大丈夫ですか?」 ミア「ん?」 どうやら喋っている間に歩行速度が落ちていたようだ。 ミア「少し急ぐか。」 私たちは時間に遅れまいと足並みを早くした。 臨機応変に対応…か。 街中にも少なからず何かを感じ取っている人はいるようだ。 無事に終わればいいが…
/543ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16402人が本棚に入れています
本棚に追加