叛逆の狼煙

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レイヤンside どうも臭いな… 今回の地方貴族の反乱はあまりに計画的すぎる。 既に東の空は朝焼けを起こし始めていた。 口裏を合わせることは簡単だが、反乱を起こすなら警備が強化される前に反乱を起こすべきだ。 私なら少なからずそうする。 いかに少ない犠牲で敵に勝利するか。 戦争に置いての鉄則だ。 無駄な犠牲は隊全体の士気に多大な影響を及ぼす。 わざわざ貴族会議で王都の警備が強化され犠牲が多くなる今を… そうか… 貴族会議か… 貴族政筆頭の土と光の当主が居たな。 わざわざ貴族政に戻すためにこんな大掛かりな仕掛けを? いや…まてよ? レイヤン「そうか… 奴らの狙いは…」 「どうかしましたか?」 くっ! 土の私兵どもか! レイヤン「なんでもない。」 こいつらがいる所ではおちおち連絡も取れない。 直接ユリトに話すしか… 「なんでもないのにそんなに急いで何処へ行かれるのですか? 西門の警備責任者が居なくなっては困りますね。」 レイヤン「チッ… 隊長に緊急の知らせがある。 責任者はウェルを叩き起こせ。」 私は彼らの間を抜け、下に降りる為に階段へ向かう。 外壁伝いだとどうしても遠回りになってしまうからだ。 しかしその前に確認しなければな。 私は壁に張り付き気配を消して土の私兵の話に聞き耳を立てる。 「そちらに忠犬が向かった。注意したほうがいい。」 忠犬?私の事か? 「当主にはこれから連絡を入れる。 分かった。」 当主… やはり私たちは土の当主に見張られていたらしいな。 「東門です。遅くに失礼します。 はい。忠犬が感づいたようです。 分かりました。」 ごく短い会話で終わったらしく、すぐに連絡魔道具を腰の専用の袋にしまった。 「何だって?」 「あのイヌッコロ死んだな。」 「まぁ。遅かれ早かれ処刑されるんだしな。」 ふふっ。 口封じか? やれるならやって見ろ。 私は武器を片手にユリトの元へ走った。 おやおや。 いくら人がいないとは言え市街地で殺すのか? 証拠隠滅が大変だろ? しかし私を殺すのに2人とは少ないぞ? レイヤン「っ!」 私は足を止め首を狙った攻撃をかわす。 こいついつ私の間合いに入った? 私の後ろに降り立つ僅かに感じる気配。 レイヤン「逃げ切るのはキツそうだな…」 思ったよりこいつら強い…
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