叛逆の狼煙

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男の武器は太刀。 長剣などと比べ脆い為に武器を用いて防御はできないが、達人が扱えばその斬撃は音速を超える。 女の武器は戦槌か。 しかしあんなもんを担いで私に追いついたのか? 侮れないな。 レイヤン「貴様等私が国直部の者だと知って狙ったのだろうな。」 男「…」 女「…」 知る価値はないときたか… レイヤン「っ!」 この男!? 武器で防御するより早く間合いに入ってくる! 私は避けることしか出来ない。 狙った所は腹部の防具のちょうどつなぎ目だ。 こいつら暗殺の達人か。 ミシッ! レイヤン「がぁ!」 脇腹に感じる鉄で殴られたような痛み。 それと同時に宙に浮く体。 ズザー… レイヤン「ぐっかはっ…」 なんて奴だ… てっきり戦槌かと思ったが… 殴ったのか… レイヤン「ウェルに似た馬鹿力だな…ごぷ。」 肋が肺に刺さった… マズい… これじゃあまともに動けない。 「ひっ!」 人が起き出して ブシャー え? 遠くで倒れる首のない市民… 足元に転がるアタマ。 見た人間は片っ端から切るか… 興味が無さそうに私を見る女。 レイヤン「巻き添え作りたくないなら裏に逃げろってか…」 全く… 最低最悪な暗殺者だな。 後から来た数人は隠滅部隊って所か。これじゃあ犠牲が増えるな… 裏に入って何とか逃げきれるか? やるっきゃないか… 私は足に力を込め裏路地に入る。 そして全力で走る。 ガキィン! 投げられた短剣を弾き走る。 片方の肺が潰れている為呼吸が苦しい… 逃げきれるか? いや。逃げ切る。 そしてユリトに… 伝えなくては…
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