叛逆の狼煙

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ユリトside ユリト「ふあぁあぁぁぁ…」 ねみぃ… 到着するのはどんなに早くても今日の正午過ぎなのに、なんで夜間警備せにゃならんのだ。 まあどうせ国直部を疲れさせて置きたいんだろうけど。 でも国直部を疲れさせたいんだったら… 「あぁ!おま!俺の肉返せ!」 「てめぇ昨日俺の肉食ったろ!」 「昨日はわざとじゃねぇからいいって言ってたじゃねぇか!」 1ヶ月敵地に放置ぐらいしねぇとな… 「はぁ…」 「どないしたん?」 「昨日娘さんと一緒に寝る約束してたんだと。」 「ええのー。 わての娘かて成長して町の男と遊んどるわ。」 「それも虚しいな…」 「それでも父ちゃん大好きやぁ言われてもう父ちゃんメロメロやぁ~!」 なんつったって国内最強であり… 「「あぁあぁぁ!」」 「んははは!こいつらアホや!」 「お前ら食べ物様粗末にすんじゃねぇよ。」 「まぁ目に見えてたよな。」 笑いが絶えない部隊だからな。 ユリト「そろそろ時間だぞ。」 「「………」」 「了解や。」 「了解。」 「もう時間か… (パカッ)パパ今日も頑張るよ。」 俺の言葉で動き出す隊員達。 本当に切り替え早いよな。 若干二名黙ったままだけどね。 貴族会議3日目か。 そろそろ奴らも動き出す頃合いかな? 俺は水平線からすっかり出てきた太陽の光を眺めていた。 「隊長!ユリト隊長!」 バタバタと下から外壁の階段を上がってくる隊員。 ユリト「なんだ。」 「副隊長が!レイヤン副隊長が!」 レイヤンが? ユリト「他は通常任務に当たれ。」 俺は今し方階段を駆け上がってきた隊員と下に急ぎ足で降りる。 ユリト「レイヤン…」 レイヤン「ユリト…ごほっ!ごほっ!」 レイヤンはもう一人の隊員に肩を貸してもらいながら歩いてくる。 ユリト「大丈夫そうじゃないな。」 外見上は掠り傷が非常に多いが、青い唇や鮮やかな色の吐血をしている事から、肋骨が折れて肺に刺さっている事が予想できる。 ユリト「レイヤン。寝ろ。 話は治療してからだ。」 レイヤン「すまない…」 道端だが構わずレイヤンを横にさせると、折れた骨を確認し手を当てる。 ユリト「痛むぞ。」 パキ レイヤン「ぐふぅ!ごほっ!ごほっ!」 まず肺に刺さった骨を抜き、肋骨を元の位置に戻す。 そして傷付いた細胞を修復していく。 ユリト「しばらく咳とか痰に血が混ざるけど仕方ないね。」 レイヤン「しばらくか…」 レイヤンは顔を歪めながら体を起こす。 レイヤンはどんな話を持ってきたのかな。
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