叛逆の狼煙

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ユリト「ふーむ。 国直部の処刑をほのめかす通信か。」 確かに反乱やら暗殺やらで殺すより、処刑という大義名分で殺した方が楽だもんね。 レイヤン「あぁ。 つまり奴らの狙いはハナから陛下なんだ。」 ユリト「うん。俺もそう考えてる。」 レイヤンはクスッと笑うとやっぱり分かっていたかと言う。 レイヤン「それで私を襲った暗殺者の事なんだが。」 ユリト「うん。多分二年前の実力政派暗殺と同一人物だと思う。」 と考えると暗殺者は貴族だよな。 しかもかなり上級のね。 上級の貴族は初代国王と共に戦った騎士だから、大抵は高い戦闘能力を有している。 六大貴族も元は六大騎士として忠誠を誓ったんだけど、時代の流れって本当に怖いね。 レイヤン「ユリト。 実はあいつらの匂い、嗅いだことがあるんだ。」 ユリト「本当か!どこで?」 そうか。 レイヤンは忘れやすいが狼の獣人だ。 狼は元々匂いに敏感だからな。 レイヤン「――――――。」 レイヤンが周囲を気にして耳打ちした言葉は、信じがたい内容だった。 なんてこった… ユリト「まじかよ… 気が遠くなるな。」 レイヤン「どうする?言った方がいいか?」 ユリト「いや黙っておこう。」 それが一番いいだろう。 レイヤン「それに陛下の事もある。 すぐにでも動かないと手遅れになる。」 ユリト「まぁ大丈夫だよ。」 レイヤン「ユリト!」 ユリト「陛下だって戦士の端くれだし、もう手は打ってあるから。」 多分全てが終わったら反逆貴族の処刑が行われるだろうな。 そのとき俺はどう行動するべきだろう。 職務を全うするべき何だろうな。 俺は今や多くの命を預かる立場でもある。 手緩い事は決して許されない。 嫌いになっても構わない。 きっと俺はそうとしか言えないんだろうな。
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