叛逆の狼煙

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ウェル「なるほどな。 ユリトは最初から私たちを驚かすつもりだった訳だ。」 最初は食卓で御披露目する予定だったらしい。 私たちは、城に向かって歩いている。 クリクはまだ人の状態だ。 クリク「うん。すっごいたのしみにしてたよ。」 レイヤン「ユリトらしいというか… 子供っぽいと言うか…」 ウェル「はははっ…」 それにしても警備をほっといてすぐ来いとは、ユリトも珍しい事言うな。 よっぽど何かあったのか? 城門前には既にソティーとミアさん、ユリトが待っていた。 しかしユリトはこちらを見るとすぐに頭を抱えてしまった。 ソティー「ウェルー。レイヤンさーん。」 私たちの姿を見つけたソティーはこちらに手を振る。 レイヤン「お姫様がお待ちだな。」 ウェル「早く行きましょう。」 私たちは小走りで3人に合流する。 クリク「ユリトー。」 ユリト「はーい。 クリクおかえりー。」 ユリトはとことこと走ってきたクリクを抱きかかえる。 ユリト「クリク。 おさらいしようか。 俺はなんていった?」 クリク「うんと。 ソティーとミアとレイヤンをおしろにくるようにつたえてって。」 ユリト「そうだね。 じゃあなんでウェルがいるのかな?」 そう言えば私は呼ばれてなかったな。 ウェル「私がいたら駄目なのか?」 ユリト「非常に悪い。」 ソティー「ユリト。 流石にキツいんじゃない?」 ユリトの目はふざけてなど居なかった。 ウェル「何故私が居ると悪いのかはっきり言って貰いたい。」 昨日はユリトと会えていなかった。 私はついさっきまではやる気持ちを抑えていた。 何故私が居たら駄目なんだ? 側に居るだけなら邪魔にはならないだろう? ユリト「お前の両親は今何処にいる?」 ウェル「私の家柄は下級貴族だから貴族会議には出られない。 多分家に居るはずだ。」 ユリト「ウェル。 先に言って置く。 もう決めた事だ。」 ユリトはそれだけ言うと城内に入って行く。 全く訳が分からない。 ソティー「ユリトどうしたんだろ?」 ウェル「悲しんでるのか説教してるのか分からない。」 レイヤン「っ…」 ミア「…」 レイヤンさんは小さく声にならない息を吐き、ミアさんは遠くの空を見ていた。
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