叛逆の狼煙

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城内は非常に静かで、召使い達にさえすれ違わなかった。 いつもの賑やかな城内とは違って、重苦しい雰囲気が漂っている。 やはり貴族会議中だからだろうか。 ソティー「ユリト。どこ行くの?」 ユリト「もうすぐ。」 そう言って五分程歩くとユリトは大きな扉の前に立つ。 ユリト「みんな。 俺は後悔しない。」 そう言って大きな扉を開く。 ゴォォ… なんだこれ? 縛り上げられた貴族たち。 開いた門の音に反応してこちらをみる貴族たち。 よく見ると縛り上げられた貴族には光の当主と土の当主、その私兵達が混じっていた。 ユリト「陛下。君主叛逆死罪令に基づき陛下に剣を向けし者達を私が処する事をお許し下さい。」 ヤカザイン「それがお前の覚悟なのだな。」 ソティー「ユリト!待ってよ! ログスとルミクのお父さんも居るんだよ!? それを!」 どなるソティーの言葉を遮ったのはミアさんだった。 ミア「ソティー。 忘れたのか? 後悔しないって…」 ソティーは流れる涙を隠すようにミアに抱き付く。 ウェル「よく間に合ったな。」 既に陛下を人質に取られていたら私たちはすぐさま捕まっていただろうな。 ユリト「間に合ったも何も… 俺昨日からここに居たしね。」 ウェル「そうだったのか。」 ん? 待てよ? レイヤンさんの話では正門でユリトに会ったはずだ… レイヤン「じゃあ… 正門にいたアレは何なんだ?」 ユリトはそりゃ聞くよなと頭をかいて話し出す。 ユリト「騙しちまって悪いな。」
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