タクの場合。

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「……どうしたの?」 扉の前に佇み、驚愕してるアイツから目が離せないでいる俺に、下から猫撫で声をあげる女。 「……」 何も言わない俺に、女は扉の前にいるアイツを横目にして首に手を回してきた。 「だぁれ?あの人。 タクの次のお客? だったらまだ私の番だって追いかえしてよ」 それを聞いたアイツの顔が強張るのに気づいた。 何か言ってほしいと訴える瞳に俺は目を逸らし、 「ごめん……。 ちょっと用できたみたいだから帰ってくれる?」 下にいる女にそう言うと、女は憤慨して衣服を掴むとさっさと部屋を出て行った。
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