日常終了、非日常終了。

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 時刻は午後七時過ぎ。  辺りは夕闇に覆われ薄暗く染め上げられ街灯に道は照らされている。  部活を終えた斎藤勇二は家に帰るべくその道を歩いていた。  部活に勉学に恋愛と悩み多い青少年の斎藤の頭の中にはそれら全てを越える悩み事があった。  それは────続きが気になる小説を読むか、ネットサーフィンをするか否か────という阿呆極まりない悩み事である。  が、しかし、当本人からしたらそれ程に大きなことで、小説は学校の休み時間に読めるだとか、明日は早朝練習があるので余りネットサーフィンが出来ないだとかで悩みに悩んでいるのだ。  そんなこんなで苦行の如き悩み事に思考を傾けているといつの間にか家に着いていた。  早々と玄関をくぐり母親のおかえりと言う声にも早口で答え早足で自室に入った。
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