日常終了、非日常終了。

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 目の前の机に置かれているのは読みかけの小説とパソコン。  取りあえず椅子に座る。  ────ここは自分の本能に任すことにしよう。  手を伸ばし、その手の行き先は────パソコンだった。  自分の本能に異論はなく本能のままに従い起動させるべく電源のスイッチを押したその時…………  奇妙な感覚に捕われ、視界が一転し、世界が逸転した。  さっきまで座っていた椅子が無くなりひんやりとした床に尻餅を着いてしまう。  周りにあった部屋の壁は廃墟のような今にも崩れ落ちそうな壁に変わっている。  良く見ればドアの位置や窓の位置も違うし何より部屋の大きさまで変わっている。  窓の外に見える風景も自分の部屋からだと木の一本だろうと見えないのに今は鬱蒼と生い茂る木々達が目に入る。  全てが違う、総てが違う、これじゃあ自分だけが違うかのようだ。  この状況は恐ろしい程までに救いがなかった。
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