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逃げ出した斎藤を見てオオカミは斎藤目掛けて飛び掛かって来る。
「う、うおぉぉぉ!」
叫び声を辺りに響かせながら間一髪でオオカミの牙から逃げる。
つかの間の安堵は一瞬で刹那の如く失われた。
「いっ、たあぁぁ!?」
避けきった瞬間を狙ったかのようにもう一匹のオオカミに足首を噛み付かれる。
足を振ったり激しく動かすがまるでオオカミの牙と同化したかと思ってしまうほどびくともしなかった。
「クソッ、この!」
無理矢理ででも足から引き離すため手を振るうが、流石のコンビネーションで振るった腕に噛み付いてくる。
「い、っぁぁ!」
激痛で訳が解らない、突然で意味が分からない、屈辱で何も判らない。
混乱して錯乱して狂乱していたかもしれない。
何もかも総てがわからなく、疑問だらけだった。
最後の一匹のオオカミが自分の喉元に噛み付いてきた時に全てがブラックアウトした。
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