宵の明星

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 ……世界はつまらない。  学校だって、街だって、空だって人だって。  全て、全て……もう見飽きた。  街を歩けば変わり映えのしない風景に囲まれ、『愛してるよ』だの『会いたい』だのテンプレート化した歌が聴こえてきて、街行く人々だってみんな同じような顔で闊歩している。  誰だって心の底では、深層心理ではこう思っているはずだ。  ―――『つまらない』って。  そんな顔をしている。
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