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前略、母さんへ―――
今、俺はどうなっているのでしょうか? むしろどうなってしまったのでしょうか?
昨日読んだ漫画のワンシーンにこんなのがあった。
ごくごく平凡な少年の前に現れた謎の少女……その少女は世界を司る女神の化身で云々。
ありきたりで、スケールがデカくて。そしてなにより心惹かれる出会いのシーンだった。閑話休題。
今、俺の目前にある……もとい、いるのは。
流れるような銀髪に、心が見透かされそうなほどに澄んだ碧眼。現実離れした服装を纏った少女と。
柔らかそうな金髪に、髪と同色の金眼。こちらも同じような服装の少女だ。
そして二人とも、物語の世界のお姫様のような、鋭く儚い美貌をたたえている。
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