クラウとソラス

2/11

1人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
 前略、母さんへ―――  今、俺はどうなっているのでしょうか? むしろどうなってしまったのでしょうか?  昨日読んだ漫画のワンシーンにこんなのがあった。  ごくごく平凡な少年の前に現れた謎の少女……その少女は世界を司る女神の化身で云々。  ありきたりで、スケールがデカくて。そしてなにより心惹かれる出会いのシーンだった。閑話休題。  今、俺の目前にある……もとい、いるのは。  流れるような銀髪に、心が見透かされそうなほどに澄んだ碧眼。現実離れした服装を纏った少女と。  柔らかそうな金髪に、髪と同色の金眼。こちらも同じような服装の少女だ。  そして二人とも、物語の世界のお姫様のような、鋭く儚い美貌をたたえている。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加