一章

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結局私が御前に着いた頃にはもう使者は出ていた。 父上に私が異を唱えていた事を伝えても『知らぬ。軍事は臥厳に任せておるからな』と言い聞く耳をもたなかった 『ちっ何でこんなことに…』 そう思いながらする事もなく城下町をぶらぶらと歩いていた 城下町出店がたくさんあり子供らがキャキャ言いながら走り回っていた。 この国の町は他の国と比べかなり活気付いている この国の殿。もとい私の父上は内政には相当力を入れ、商人からの人望はかなり厚かった しかし軍となるとてんで駄目で軍事はすべてあの臥厳という男に任せっきりだったようだ。 歩いていると、とある甘味屋に着いた そこは私の行きつけの甘味屋で何かあるといつもそこに行っていた。 私はそこの庭にある椅子に座り 「みたらし団子一つ」 といつもの注文をする 「はいよ」 と奥からおっちゃんの声が聞こえた このおっちゃんは昔から私に何かあるといつも相談にのってくれる。 しばらくすると奥からおっちゃんが出て来たが、みたらしを二本持ってきた 「なに?負けといてくれるん?」 私は笑いながらおっちゃんに聞くと 「馬鹿言えこれはお嬢ちゃんのじゃねぇ」
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