一章

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私が城へ帰ると丁度新しく徴収された兵達が訓練をしていた 『ふふん。今の私は機嫌がいいからな。ちょっと相手してやるか』 「楽しそうな事をされてますね。私も混ぜては貰えますか?」 すると手前の方にいた兵が 「おいおい、お嬢ちゃんこれは遊びじゃないんだぞ。」 まぁ予想道理の反応だな 「大丈夫ですよ。こうみえて腕っぷしには自信があるんです」 「ダメだ。危ないから向こうに行ってろ」 「どうしてもですか?」 「どうしてもだ」 うーんなかなか強情な奴だな。なら最終手段だ 「では私に訓練をやらせてくれたらこの城の殿様に名を売って差し上げます」 この言葉に兵達がざわついた 「あっ私に勝ったらですよ」 すると見上げるほどの大男が槍を模した木の棒を携えてずんずんと歩いて来た 「よしそこまで言うなら儂と勝負だ」 と大声で言った 「いいですよ。私に木刀を貸しては貰えませんか?」 そう言うと兵の一人が木刀を渡してくれた 「しかしなぜ突然勝負される気になられたのですか?」 貸して貰った木刀を軽く振りながら訊ねる 「ふん。その着物の家紋はたしかにこの城のものだからおそらくお嬢ちゃんは重役の娘さんとかじゃないか?名を売って貰えるのは本当だろう。悪いが本気で行かせて貰う」
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