二章

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私が父上に無理矢理誘われ将棋を打っている途中に(一応軍事をやる気はあるらしい)報告が慌てた様子で部屋に来た 「殿!ついに東北から使者が来ました!」 報告が嬉しそうに父上に言う 「おおやっと来たか。早く通せ」 父上も上機嫌に言い放つ 「はいただいま。」 と言って報告はどこかへ行ってしまった。 「いやすまないな王華、この勝負は引き分けじゃ。片付けておいてくれ」 『あとちょっとで勝てそうだったのに』 そう思いながら盤を片付ける 「ささっどうぞこちらへ」 そう言うと部屋中に2人の男が入って来た 父上は既に上座に座り使者を出迎える準備をしていた 「よく参られた。して返事は?」 一人の男がぱっと顔を上げ 「はっこちらにございます」 と言い東北の主が書いたであろう返事の手紙を差し出した 「うむご苦労どれ……」 としばらく父上は手紙を読んでいた。 大きさはさほど無いものであったが二度、三度読んでいるのかしばらく沈黙が続いた そして満足したように頷いて 「あいわかった近々儂がそちらへ向かう。そこで条約の締結を行う。契りの儀はこちらでする」
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