序章

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「はい小春。18歳の誕生日おめでとう」 と言って母さまが私にキレイな紫色の着物を渡してくれた 「ありがとう。お母さま」 今日は私の誕生日だ。私の親戚にはお金持ちの人がたくさんいるから毎年とても高価なものをくれた。 特にばあ様なんて凄い。去年は『小春はかわいいから悪い人に連れて行かれるかもしれない』 と言って金やら銀やらをちりばめた小刀をくれた それと同じようなものを見てみると小さな家が買えそうな値段でびっくりした ちなみにばあ様は怒ったらとても怖い。私の父様もばあ様には頭が上がらない 「小春や。ちょっとおいで」 「はい。おばあ様」 「ほれ。今日は小春の誕生日じゃろ。今年は特別なものをやろう」 と言って細長い木箱を差し出してきた 「ありがとう。おばあ様。でこれは?……開けてみてもいいですか?」 あのおばあ様が特別と言ったから物凄いものに違いない 「ええよ。開けてみ」 大切そうにしまってある木箱を開けるとそこには古びた扇が1つ入ってあった 手にとって開いて見るとシミだらけの古びた花柄の扇だった
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