一章

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「殿、ご報告します。九州勢の制圧完了しました!」 報告がさも自分が制圧したかのように言い放つ 「おぉ。そうか九州勢はかなりの手練れがおると聞いておったが我が軍の敵ではなかったか!」 「はい。我が軍の大勝利でございます!」 『そんな訳ないだろう……報告は嘘つきだな』と私は心の中で呟いた この報告は我が殿の機嫌をとるためだろうか そういえば以前我が軍が敗走し、その旨を報告が伝えると盃を投げつけられたことがあったな…… 私は新人武将で今回は戦に参加せず様子をみるため着いていったが、大勝利とは程遠く辛勝中の辛勝、本当にギリギリの闘いだった 「そうか。そうかならこの勢いで東北も落としてしまえ!」 「はっ……り、了解しました!」 馬鹿な。そんなこと出来る訳ない 10万といた兵はほとんど殺され城につく頃には2000と激減していた しかも兵は連戦で疲れきっている 今の兵力では国どころか拠点を潰すことすら無理であろう 報告も困りはてた顔をしている ふんっ自業自得だ。と心の中で舌を出していた 「はっ……で、ではさっそく将達に策を練るよう伝えます」 「うむ」
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