4人が本棚に入れています
本棚に追加
「でもさ、質問。」
『何?』
「貴方は、なんで“自由の種を探したい”なんて言う馬鹿にされる現実逃避を、全く知らない私に話したの?」
『現実逃避?そんな馬鹿な事じゃない。今の人は、何も考えてない。それに…』
「それに、何?」
『…それに、璃歩を知らなかった訳じゃない。聖音学園(セイトガクエン)1年ビオラ組。名前は知らなかったけど、俺の周りでは有名だ』
「有名…私が?」
『そう。俺が自由になりたいって知ってる連中は、“あの子一年前のお前に似てる”って言った。よく分からないから“なんで?”って聞くと、目が同じだと言われた』
「目が同じ…」
『俺は何故か“あの子”に自由の種を一緒に探して欲しい、と思った』
「なんで?それじゃあ、理由にならない」
それじゃあ、言い訳だ。
というか、目が同じでも、有名でも、自由を探してるとは限らない。
いや、自由なんて普通探さないだろう。
探してる人を見たことないからこそ、言うけど何故私なんだ?
ーそんなの理由があるんでしょ。
知ってる。分かってる。
けど、直接言って欲しい。
『璃歩?今さ、何考えてるの』
「は?」
『いやぁ、何考えてるのって』
最初のコメントを投稿しよう!