序章

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春。 虫は冬眠から目覚め、花が開きはじめる。そして、人々の学年(ランク)が上がる。 ーごくごく当たり前の事なはずなのに、12回目の春、違和感を覚えた。 ……何故だ?   トオカマチ リホ 私、十日町璃歩。12歳。この春、中1になった。 『見て見て!桜がきれいだよ!』 『そうねぇ…』 小さい頃は、あの子みたいに無邪気に春を楽しんでいた。 でも何処かで、大人の返事がどこと無くよそよそしいことを感じていた気がする。 私は、自由を求めて校則の厳しくない学校を受けた。 大体、何やっても平気な所だ。そのために、自分で自由を奪って頑張った。 =努力は、裏切らない。 その言葉の意味が、やっと理解出来た。 だから、私は自由なんだ! いつもなら、そう喜んでいただろうに。 =世界を、知ってしまったから。 私達は、縛られている。自由という事はない。 「ありえない。」そういう人は =自分は、縛られてないと思ってるだけ。 実際、そういう人ほど縛られている。 自由なはずなのに…。なんで?
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