第1章~偽りの人~

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ーゴツン! 「痛ぁぁ」 考え事をしてたせいで、漫画みたいに電柱にぶつかった。 『君!そこの君!』 誰この人。私は、頭を摩りながら考える。 ーまぁ、私じゃないな。 私は、何事もなかったように通り過ぎる。 『おーい。君だよ、全く気付かないのかい?』 「…」 『もしかして、無視?まぁさ、こんな美少年に声かけられたらときめくよな』 =知らない人には、関わらない。 ……彼が言っている事は、突っ込み所満載だ。半分合ってるけど。 まず、無視じゃない。 私は危険と感じたから通り過ぎようとしたんだ。 (前に、そういう人に出くわして騙された事がある。) 次、私は美少年だろうと、ときめかない。 てか、声かけられて答えないのとどう関係あるんだ。 美少年ちゃあ美少年だけど。 仕方ない。ここは、作戦Aを。 「えっ、私の事だったんですか?全然気が付きませんでした。さようなら」 これで、OK! 次に、相手が何か言おうとする隙に、逃げればいい。 =危険だったら、すぐ笑顔 『ちょっ』 ー今だ。 ガシッ 「……えっ?」 作戦がバレたのか?今までばれた事なんてないのに…
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