第1章~偽りの人~

5/6
前へ
/8ページ
次へ
『何て言うのかな?“自由の種”それを、見つけたい』 「自由の種……」 『そう!中2なのに…って感じだろ?』 「良いと、思う」 『えっ?…ああ、馬鹿にしてるのか』 「違うけど…何だろ。ただ、良いと思った。私も探して見たい。自由の種」 本当に、そう思った。 意外だった。この人は、現実主義者だと思っていた。 からかわれていた、私。 自由を求めるなんてくだらない。 今の生活は幸せなんだから、 有り難く思いなさい。 自分を、悲劇のヒーローにしないの。 ー仲間なんて居ないと思ってた。 =笑う角には福来たる そうだった。笑顔を忘れてはいけないんだ。 『どうしたの?また、急に黙っちゃって』 「ううん。……………璃歩」 『は?』 「私の名前。璃歩って言うの。貴方は?」 『あっあぁ…。俺は、叶(カナウ)。辰礼(シンライ)叶』 「叶…。」 『そう!…璃歩、もしかして自由探してるの?』 私は、頷く。 叶は笑って、私も一緒に探しても良いと言ってくれた。 二人で、“探す自由”はどのような姿を見せてくれるのだろうか?
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加