冬子

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「まあ…そんなこんなで駿を末永く宜しくね。」 しれっと言い返す冬子に素早く突っ込む。 「お前は母親か。」 「親戚のお姉様だよ。」 え? そう言えば、以前も内宮さん達にも姉だとか言っていたよね。 以前から親しげだなあとは思っていたが、だからあんなに駿君と仲が良いのか。 「どちら方の親戚?」 「な訳ないじゃん。」 「…」 「ウヒヒ」 「…」 「プッ。」 「…さっきの奢り却下!」 「もう、駿にお礼メールしたから無理~」 何てムカつくヤツなんだ! お前なんか彼氏どころか一生嫁に行き遅れてろ… 「マミさんに会うの楽しみだなぁ。」 私の呪いなんか簡単に弾き返す無駄に悪運の強そうな冬子は、グラスを空にしながら軽やかに言う。
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