聡史

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ていうか…亜以子までもが冬子化している気がするのは私の考えすぎか。 でも、未だに私も信じられない。 駿君が、皆から憧れられる爽やか王子様のような駿君が私の事を長年片想いしてきて、やっと実ったなんて大喜びするなんて。 まあ…ヤること先にやって、今更何だって感じなんだろうけど。 不思議だなぁ、五年前は駿君は未成年も未成年、中学生だったんだから。 「良いなぁ、美佳子ちゃんって水商売の男の人にもモテて。」 私も甲田さんと仲良くなりたいのにぃ~と喚く亜以子がちょっと憎たらしい。 「亜以子、彼氏いるし甲田さんも妻子ある身でしょ。」 「まぁそうなんだけど、でも、憧れるじゃない。」 お互いに一目惚れみたいな運命的な出会いとか、と言った亜以子の横顔がドキッとする程女っぽくて私は何とも言えず手元のグラスを手にとった。
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