マミさん

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「どうして?」 駿君はちょっと怒ったみたいに眉を潜めて、それでも下着からは手を離し私の太ももの外側をゆるりと撫でた。 「き、聞きたい事があるの?」 私の真剣な口調に押されたのか、駿君も不思議そうな顔をしながらも手を止める。 「何を?」 そわそわしている駿君を無視して、じっとその目を覗き込む。 今日だからこそ聞かないといけない。 「…誰か来たことある?」 「誰かって?」 「お、んなの人…」 「この部屋に?」 「うん…」 私にとっては凄い勇気を出して聞いたのに、駿君は事も無げに即答をする。 「ないよ。」 「本当に?」 「女の子が来たことはないよ。」 駿君の態度は全く嘘をついている様子もなく… 「本当に?」 「本当に。」 「絶対に?」 「うん、絶対に。」 どうしたの?と聞く駿君に、私の心の中で何かが弾け飛んだ。
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