マミさん

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「マミさんの名前は吉田真実って言います。」 「よしだまさみ?」 話の意図が分からず、おうむ返しする私に駿君が何とも言えない表情で私を見つめた。 「通常、マミさんですが…彼は僕の高校の先輩です。」 「へ…」 「マミさんは男、です。」 何とも気まずい間があって、駿君は私の鼻をチョンとつついた。 「確かに綺麗に化けてますけどね。マミさんは女装マニアで、勤めているオカマバーのNo.1です。」 「男?」 「…聡史さんも知ってますよ、マミさんの事。聞いてないんですか?」 「全然…」 今度は私が放心する番だった。 確かに、マミさんは女の人にすれば背が高い。 確かに凛々しい。 化粧も宝塚みたいに濃い。 そしてかなりハスキーな声。 迫力もあった…
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